<発語が戻らないので、新しい治療法を探す>
急性脳症になって、1年4か月経ちました。
歩く、走る、食事をするなどは
かなりスムーズに行えるようになりました。
左手がいまいち使えない、
さまよう、紙を破るなどの後遺症もありますが、
一番回復していないのは、言語面です。
発語自体は全くなく、
喃語や泣き声で感情をアピールする
(不満の感情が多い)
水を飲みたいときはコップを持ったり、
机の上のペットボトルを回すなどで
意思を伝えるのですが、
時々グズグズずっと泣くことがあって、
原因が全く分からず、
本人も周りもしんどいです。
「もう、しょうむないことで
グズグズ泣かないでよ!」
とつい言ってしまったり。
言語聴覚士による
リハビリは行っているものの、
発語を促すリハビリでなく、
発語に替わるコミュニケーションを
促す(カードなど)もので、
何だかもどかしいなぁと
思っていました。
医学的に何か治療できないか、、、
と思っていろいろ調べていると
幹細胞治療に行きつきました。
<三女の臍帯血は、長女の病気には使えない>
三女を出産時に、
臍帯血を保管していますが、
現状の日本の法律では、
長女の病気(急性脳症)の治療に
臍帯血を利用することはできないそうです。
もちろん、今後法律が変わる可能性もありますし、
保管はするんですが、
当分は保管したままになります。
海外に行って、臍帯血治療を行う人も
いるそうですが、
当然ながら、莫大な金額がかかりますので
現実的でありません。
今の時点では、
臍帯血治療ができるように
祈るしかできんということです。
<幹細胞治療をしている病院とオンライン面談をする>
まずは情報収集ということで、
銀座にある幹細胞治療を行っている病院の先生と
オンライン面談をしました。
治療実績は様々ですが、
自閉症治療の実績が多い様子。
長女は自閉の傾向はほとんどないので、
本当にこの治療でいいのかと不安もありました。
私「長女は急性脳症で話せなくなりまして、
こういう話せない子が、
幹細胞治療で改善した例は
あるのでしょうか」
先生「よくなられた例は複数あります。
ただ、急性脳症で治療された方もいますが、
効果が出ていない方もいらっしゃいます。」
よくなるといっても、
急にべらべら話せるようになるわけでないし、
効果が出ていない人もいるわけだから、
本当に賭けみたいなものだなぁと
思いました。
<費用を聞いて、腰を抜かす>
安全性についてもほぼ問題ない治療のようだったので、
一番気になる費用を聞いてみました。
私「えっと、費用はいくらくらいでしょうか」
先生「ウン万くらいですね」
え!
高!
<費用見積メールを見て、さらに腰を抜かす>
費用の詳細を改めてメールでもらうことになりました。
メールを見てさらに腰を抜かしました。
ウン万というのは、
幹細胞を最小量注入した時の費用で、
注入量によって、費用が変わるのです。
・最小量 ウン万円+税+麻酔代20万
・中等量 ウンウン万円+税+麻酔代20万
・最大量 ウンチャラ万円+税+麻酔代20万
税と麻酔代もかかるんかいな、、、
それに最大量だと、最小量の倍くらいかかるやん、、、
先生に、
長女はどれくらいの量を注入したらいいでしょうか
と聞くと、
最大量の注入をお勧めします。
との返信が。
ちょっとちょっと、、、、
交通費、旅費も入れたら、
どえらい金額になります。
車余裕で買えるよね、、、
ホームページでは50万~と書いてあったので、
80万とかかなぁと思っていましたが、
甘かったです。
治療するなら、
2/13にできますとのことでした。
少し考えますと言いましたが、
金額がすごくて、
頭がフリーズしていました。
<主治医は幹細胞治療に懐疑的>
主治医にも相談しました。
幹細胞治療をした患者さんは複数いるが
(脳性まひが多い)
主治医が見る限りでは、
いまいち効果が出ていない。
ただ、長女と同じ病(急性脳症)で治療した例は
知らないので、
なんとも言えない。
最先端治療であるし、保険外治療なので、
なんとも言えないとのことでした。
<悩むが、治療してみることにする>
金額は想像よりはるかに高いので、
正直きつい。
ただ、安全性は高い治療であるし、
可能性があるならやってやろうという結論に至りました。
長女は3歳、4歳で脳の手術をしました。
それだけでも大変なのに、
5歳で急性脳症になり、
話すことができなくなってしまいました。
長女のこれまでの人生は、
普通の6歳の女の子が歩む人生とはほど遠く、
(普通のという言い方はあまり好きでないですが)
あまりにも過酷すぎたと思います。
少しでもよくなるなら、
できる限りのことはしてやりたい、
そうでないと、
あまりにも長女が不憫と思ったからです。
2024年2月13日。
今までとは違う意味で、
運命の日となります。